あめ。 だら。のツネ太様に書いてもらいました。
一生大事にするぜこの野郎!!!
 
 
TRICKSTER ver0.00
−第壱話−


夢みたいな光景を見た。

ホントこりゃ夢だ。絶対ありえない。でも現実…なんだよな…うぐぐ…

「…マジ…ですか?」

何があったかわかんなかった。
たしか俺は…夏休みがはじまって…うん 世間では海の日って言うのかな?

その日俺はとある女の子とデートすることになってた。

いや、デートをしているかどうかはわからない。
ただ、一緒に映画行こう って誘われて待ち合わせをしていたわけだ…しかも高校生の夏休み。

そう…そこにある二人で映画を見るという行動。

これは…コレはデートとしか言いようがないんじゃないでしょうか世界の皆さん!あれですよ!

ひと夏の経験とかそんなんじゃないんですか!奥さん!俺ってもしかして今年で卒業なの?!

みんなより一歩リードのゴールイン?!めくるめく愛のワンダーランド!?

いぃいいいいやっほおおおおおお!!!!!やったぁああああ!俺は俺は今日こそ最高の男になるんだぁあああ!!!

そんな変なことを考えていた。いや いまさら考えると…うん ホント馬鹿 やってらんない

でもね!男って馬鹿なんだよ たとえるなるならそう 

女:わー このお菓子可愛い〜!

男:そんなお菓子よりリエちゃんのほうが可愛いよ 

女:もうタカシ君ったらー 

って言って喜んでいるようなバカップル並に馬鹿…自分でもどんなに馬鹿なのかよくわからない…てか、何?可愛いお菓子って

まあ 要するに 世間は甘くなかった というわけで

「アハハ…そうかー…そうなのかー…」

…馬鹿…泣けてくるよ……あ、何か鼻水出てきた…そういえば昔の教育の方のNHKで鼻水拭いてくれるバカップルとかあったな…

「どうしたの?」

「イヤ…特にほらアレかなーって思って」
 
そう…俺を誘った女の子には彼氏がいる。現在進行形…

何か二人で行くのが恥ずかしくて 俺を誘ったとか…しかもダブルデートにしたかったらしいんだけど

「ごめんねー 気合で来い って言ったんだけどねー」

「まぁ 仕方ないでしょ 風邪じゃあ」

明らかに仮病で休んでいる彼女の友人Aさん 普通はキャンセルするもんね…

さらに言うと 前述でバカップルって単語を何個も使いたくなくなるくらいバカップル……悲しくなってきた…

てか ぶっころ?

「アー 邪魔しちゃいけないし 大丈夫!きっと二人でいれば恥ずかしくないからさ!」

心の叫びを押し殺して俺は微笑んだ

「え?そうかなー?ねぇどうかなー?タカシぃ?」

何 この娘 こんなのだったの…ウワー…冷めてきた 零下20度 業界NO1の急速冷凍だ
「んーどうしようか?二人でいると恥ずかしいからセイトと一緒にいて欲しかったんだけど…ね〜 りえちゃんv」

語尾に!語尾にハート付いてる!付きまくってる!!恥ずかしくないのかこの男!てか人前だ!

「いいから…な?まず言っとくと こういうのはやっぱり二人で言った方がいいと思うんだ…タカシもリエも勇気出して二人で」
 
仲良く逝け。
 
「えーでもー…」

「いいから。な?ほら タカシも頑張ってみろよ」
「そうか?…じゃあ行こうか?リエちゃん」

うん そうしろ そして俺の平和を返せぇえ もちろん利子付きで

「じゃあ行ってくるね〜」

リエちゃんは手を振って タカシと一緒に去っていた……俺は一生懸命笑った。

うん 一生懸命 泣いてる自分を……励ますように…

血の涙でも流れた気がした…さよなら俺の夏休み…

「…ぁあ…帰ってゲームでもやろ…」

そうだ…ゲームだ。こういう時は現実逃避に限るもんさ。心理とかの本で見たことがある。

人間はストレスを受けるとそれを発散させるために何かをやるんだ…そうだ逃げるんだこの世界から!
この日本から!亡命してロケットで宇宙に飛んで最高のトラベル!俺はこんな世界を待っていたんだ!
そして…そして…

「この世界に復讐してやるぅぅぅうううううう!!!!!!!!」

真昼の住宅街 吠える男が独り

「………」

そして興味深く俺を見る近所の子供達と…まるで殺人鬼や幼児誘拐犯を見るような目で俺を見る奥様方が沢山。

何がやーねーだ 何がお母さんあれなーにーだ………うぅぅ……
 

「い…いやぁああああああ……!!!!!!」
 

…さよなら 俺の夏休み そしてさよなら俺の淡い初恋………何であんな女に惚れたんだろう…ぁぁ 俺ってダメ人間…

家に帰ってきたらもう夕方だった…そんだけ自分の中が壊れていたらしい…

まぁあんな夢としか思えないような…変な事はもうないはずだよな…

机の上のパソコンをつけると、ブンという音と共にモニターが明かりを灯した。

「はぁ…何か疲れたな…」

OSが起動して適当に設定したB級ホラー映画の叫び声が鳴った。夜一人で聞くとやっぱりびびる

「…やっぱ変えようかな…」

ケータイ電話の音が鳴った。

「…なんだよ こんな時に……ん?ユリカ??」

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第一話後編に続く
 
 
忙しいんです!・・・たぶん 
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