TRICKSTER ver0.00
−第零話−
夢みたいな光景を見た。
いや、きっとこれは夢なんだろう。そうでなきゃ…こんなに悲しいのに涙が出ないなんて…考えられない…
でもそれはホントに幻想で、夢で、幻で…そしてまぎれもない。自分の目の前で起きている悲劇
そうどうしようもない悲劇…
「どうして…!?…なんで?!」
悲劇…僕にはそう…ホント…これこそが本当の悲劇だと思う
目の前にあるのはたった一つの悲劇
視覚から見えるものは…たった一つのパソコン
聴覚から聞こえるのは…やはりパソコン
「ウソだ…ありえない…」
どうにも僕は悲観的になっているらしい。目から何か落ちてる。これは幻なのに…
いやきっと…これは幻なんだ…だって…だってヒトガ■■タ…だって■■■ガ■■タ…ありえない信じたくない■■■
こんなことありえない・・・冷静に考えよう・・・
・・・わからない・・・わかりたくない・・・
・・・それなのに・・・この目から流れるものがあるのは何故だろう・・・
「いやぁあああああああ!!!!」
僕は一人。そうたった独り 絶叫した。
そうか僕は泣きたかったのか・・・
そのときやっと自分の感情がわかった・・・
そして・・・それと同時にこの現実を受け取る・・・
そこにあった「 」を通り過ぎ…ブーンと静かなモーター音を回すパソコンが…その叫びを受け取っていた…